星の約束
3
「未波って彼氏とかいないの?」
きっと、そんなに深い意味はなかったのだろうけど、
私はひどく驚いた声を出してしまった。
「え、なんですかいきなり」
「いや、いるのかな、ってゆう好奇心」
「いません、けど。
先輩こそ、彼女さんとはどうなんですか?」
先輩はわざとらしく眉根をさげ、悲しそうな声を出した。
芝居がかった、少し大袈裟な話し方は、先輩の癖というか、特徴だ。
「それがさ、この前別れたんだよ」
「え、なんで」
私はさっきよりももっと驚いて、心の底からそう言ってしまった。
先輩の話し方が好きで、先輩の一挙一動に合わせていつも話していたが、今の声は本当に本心からだ。
「部活の後輩たちと一緒に、クリスマスに星を観に行く、って話したら、急に怒り出したんだよ」
「あぁ…」
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