星の約束


ユカと話してから、そういえば受験勉強のことを、そこまで深く考えていなかったことに気づく。

言われてみれば、教室では参考書を開いたり、勉強をしている人が多い。

私も、全く勉強していないわけではなかったが、なんだかまだ他人ごとのように感じていた。

私はもう3年で、去年までとは違うのだ。

あの部室を、私は逃避場所にしていたのかもしれない。

だが、今更、突然生活スタイルを変えるのも嫌だったので、今日もまた、部室へ向かうことにした。

部室に足を踏み入れると、珍しく聖が先に来ていて、机の上に突っ伏して寝息をたてていた。

聖のように、隣の席に座るのは気がひけたので、とりあえず、1つだけ席をあけて腰をおろす。

それに、隣に座れば、人の気配を感じて起きてしまうかもしれない。

せっかく寝ているのだから、寝かしておいてあげよう。


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