星の約束


そう思ってあまり音をたてないようにして荷物を机の上に広げたのだが、その意に反して聖は起きてしまった。

まだ夢の中にいるような目をこちらに向け、「あ、先輩、こんにちは…」と、力の入っていない声を出した。


「上村くん、今日早いんだね」

「授業終わってからすぐ来たんで」


眠そうに目をこする聖、声には少しだけあくびが混じっている。

そのあくびにつられて、私もあくびをひとつ。

あくびが伝染するというのは、本当みたいだ。


「先輩が来るの待ってたんですけど、いつの間にか寝てた…」


ぐっと体を伸ばし、体を起こした聖は、私が机の上に広げた荷物を見て、首をかしげる。


「今日は読書じゃないんですか?」

「うん、私も一応受験生だからね。
勉強しなきゃ」


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