星の約束
机の上に広げたのは教科書だ。
教室や家よりも、やっぱりここが落ち着くし、勉強がはかどりそう、そんな気がして。
「先輩も、もう卒業ですね…」
ぽつりと、独り言のように聖が言った。
だけど、なんだか気になって顔をあげれば、少しだけ寂しそうな顔をしていた。
「今年は後輩もいないし、先輩が卒業したら寂しくなりますね」
「そうだね…」
今年は1年生が来なかったのだ。
まあ当然と言えば当然だが。
先輩と後輩、どちらも同時にいた私は、とてもついていたのかもしれない。
私が卒業してしまえば、聖は1人だ。
後輩がいないのは、やはり寂しいのだろう。
「あ、」
「なんですか?」
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