星の約束
先輩はよく、女の子と一緒に歩いていた。
私はそれを見るたびに、ちくりと胸が痛んでいたのだけど、
それは秘密だった。
それを先輩に言ってしまったら、何か崩れてしまいそうな気がしたし、からかわれてしまうだろうから、言いたくなかった。
「先輩、水谷先輩のこと、好きでしたもんね」
なんの前触れもなく言われた言葉は、私をひどく動揺させた。
ユカばかりでなく、聖もそんなふうに思っていただなんて。
「ち、違うよ!」
慌てないように、落ち着いて、と思っていたのに、
動揺からか、言葉が詰まる。
私はそれでも冷静を装って、横顔に流れた髪を耳にかけた。
「違うんですか?
俺ずっとそうだと思ってたけど」
「うん、違う。
なんで、そう思うの?」
「だって、よく目で追いかけてましたよね」
「そう、かな…?」
「そうでした」
「そうなんだ…」
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