星の約束


私はもしかしたら、自分で思っていた以上に、
先輩のことを想っていたのかもしれない。

ただ、部活という話す口実はあったから、わざわざ告白なんかして、その関係を崩したくはなかった。

話せなくなるくらいなら、このままで。

私はそんな気持ちから、自分の想いにふたをしたのだ。

それは意識的にではなく、無意識に。


「俺は、先輩2人が話してるとこ見るの、好きだったんですよ。
あの雰囲気いいなー、って。
俺もあのなかに入りたいなー、なんて」


少し暗めの部屋。

ほこりっぽい空気。

私はそれを静かに吸い込んだ。

くらくらとする思考のなかで、私は先輩のことを思い出した。

そうか、私は先輩が好きだったんだ。


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