星の約束
4
先輩が好き。
それを自覚したものの、私には、いまさらどうすることもできない。
先輩は卒業してしまったし、私も今は受験生だ。
それに、今も私の中に先輩がいるかというと、そういうわけではない。
いろいろある先輩との思い出のなかに、その気持ちが上書きされた。
そんな感じ。
思い出のなかにまたふけりそうになり、慌てて頭を振った。
今は勉強中だ。
12月も何日か過ぎてくると、授業らしい授業はなくなり、自習の時間が増えてくる。
配られたプリントにペンを走らせ、頭をひねる。
普段あまり勉強していなかったのがたたってか、私のプリントはところどころ空白が見られた。
すべてできなかったものは、宿題ということになり、私はしかたなくプリントをファイルのなかにしまい込む。
センター試験も近いのに、こんなことで大丈夫かとため息が出た。