星の約束


先輩が好き。

それを自覚したものの、私には、いまさらどうすることもできない。

先輩は卒業してしまったし、私も今は受験生だ。

それに、今も私の中に先輩がいるかというと、そういうわけではない。

いろいろある先輩との思い出のなかに、その気持ちが上書きされた。

そんな感じ。

思い出のなかにまたふけりそうになり、慌てて頭を振った。

今は勉強中だ。

12月も何日か過ぎてくると、授業らしい授業はなくなり、自習の時間が増えてくる。

配られたプリントにペンを走らせ、頭をひねる。

普段あまり勉強していなかったのがたたってか、私のプリントはところどころ空白が見られた。

すべてできなかったものは、宿題ということになり、私はしかたなくプリントをファイルのなかにしまい込む。

センター試験も近いのに、こんなことで大丈夫かとため息が出た。





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