星の約束
普段、放任と言ってもいいくらい何も勉強のことに口を出してこない両親が、ついに口を開いたのだ。
「勉強は大丈夫なの?」と。
私はあいまいな返事しかできずにいると、そのとき読んでいた読みかけの本を取り上げられてしまったのだ。
それまでこれと言って何も言ってこなかった両親の行動に、私は反抗できずに、勉強をがんばることにした。
センターでいい点をとると両親と約束をして。
「最近勉強がんばってるね、未波。
何かあったの?」
今日何度目かになるため息を吐き出したところで、ユカが心配そうに声をかける。
「うん、ありがとう。
親に本取り上げられちゃって…
勉強がんばる、って約束したの」
「そう、じゃぁ、がんばらなきゃね。
あ、部室には行ってる?」
私は首を横に振った。
「勉強ばかりで、今は行ってる余裕がないかも…」
「なら、後輩くん、心配してるかもね」