星の約束
「あ、先輩お疲れ様でーす」
太陽みたいな笑顔をこちらに向けて、彼独特のテンポを作っていく。
「今日も読書ですか?何読んでるんですか?」
席はたくさんあるのに、私の隣にわざわざ腰をおろす聖。
読んでいた本を下からのぞき込んできたから、
見やすいようにと本を起こしてあげると、
「…難しそうな本ですね」
と眉を寄せた。
本への興味はそこそこに、聖はカバンの中から雑誌を取り出し、
ぱらぱらと捲り始めた。
「いつも読んでるよね、バスケ雑誌」
雑誌から一瞬目を離し、こちらに視線を向け、
また雑誌へと視線が戻る。
「あー、俺バスケ好きなんで」
言った聖の顔は、頬が緩んでいる。
「そんなに好きなら、この部活じゃなくて、
バスケ部に入ればよかったのに。
どうせこの部活は名ばかりで、幽霊部員のたまり場なんだから」
「俺、中学のときにがんばりすぎて、
膝壊しちゃったんですよ」
表情を変えないまま言った聖を見て、少しばかりの罪悪感が生まれた。
「ごめん。変なこと言っちゃった」
「いやー、いいですよ。
どうせ俺そんなに上手くなかったし、」
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