星の約束


その声が、本当に寂しそうだったから、私はすぐに返事をすることができなくて黙り込んでしまった。

聖もしばらく声を出さなかったので、私たちのあいだに気まずい沈黙が流れる。

何か話そうと口を開きかけると、


「今日、来てくれてよかったです」


そう聖が先に口を開いた。

だから私も思ったことを素直に口に出してみる。


「すぐ報告したかったから。
いつもは意識してなかったけど、ここに来て、上村くんと話すのが習慣になってたみたい。
話せなくて変な感じだった」

「え、そうなんですか?
俺このまま先輩来なかったら、クリスマスの約束も流れるんだろうな、って思ってた」


びっくりしたような聖の顔に、思わず笑ってしまった。

やっと聖と話せて、私はようやく一区切りついたような気がした。


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