星の約束

気がつくと、私は眠ってしまっていた。

驚いて起き上がり、時計を見ると、約束の時間が迫っていた。

どうやらベッドに横になったまま眠ってしまったらしい。

慌てて私は家を飛び出した。

走って向かうが、間に合うだろうか。

これじゃあ去年の先輩そのままだ!

待ち合わせ時間を少しだけ過ぎた頃、ようやくたどり着いたが、聖はやはり先に来ていた。

切れ切れになる声で謝ると、聖はいつものようにまた笑う。


「先輩、またデジャヴですよ」


つられて一緒になって笑えば、去年のことがまた思い出された。


「これで雪が降ったら、デジャヴ完璧なのにね」


ふいにそう言うと、聖は驚いたように目を丸くさせた。


「先輩って、鈍感なのかそうじゃないのか、たまに分からないですね」

「え、何それ」

「いや、なんでもないです」



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