星の約束

「私も、実際のところ、これくらいしか知らないんだけどね」

「なんだ、先輩も俺と同じじゃん」


笑いながら聖は言って、また空を仰ぐ。

きらきらと輝き続ける星たちは、去年と何も変わらない。


「水谷先輩、今頃どうしてるかな…」


ぽつりと私の口からこぼれた。

聖はそれに返事をしなかったが、こちらを一瞬見たような気がした。

しばらく2人で空を見ていたが、さすがに少し寒くなってきた。

私は冷えた体をさする。


「先輩、」

「ん?」

「これあげます」


渡されたのは、去年と同じものだった。


「あ、ありがとう、あったかい。
上村くんて準備いいよね、去年もくれた」

「先輩ってわりと寒がりじゃないですか、だから今年も持ってきたんです」


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