星の約束


返事をすることもできないまま、私はまた本の続きを読み始めた。

こういうときに、私はいい言葉をかけることができない。

変に考えてしまって、タイミングを逃してしまうのだ。

気を紛らわすためにまた読み始めた本だったが、
なかなか内容が頭のなかに入ってこないため、
読むのをあきらめた。


「そういえば、」


雑誌を読み終えたのか、聖が思い出したように声を出した。

何を言い出すのか、私は妙に構えてしまって肩を揺らす。


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