星の約束


「今年も行くんですか?」


話の意図が見えずに、私は小首をかしげた。

そんな私の様子に気付いた聖は、ほら、と思い返すように言葉を続ける。


「去年のクリスマスに、先輩と俺と、水谷先輩とで行ったじゃないですか」


あぁ、と私は少し間抜けな声を出してしまった。


「上村くんて、珍しい子だよね」

「え、なんでですか」

「だって他の子は入るなりすぐに幽霊部員になっちゃったのに、いまだに来てるし」

「いや、それは先輩だって」


痛いところをつかれたと一瞬黙ると、聖は続けてしゃべった。


「去年のほんとに楽しかったし、また今年も行きましょうよ」


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