星の約束
去年のクリスマス。
私たちは3人で、ある小高い丘に登った。
手には小さな望遠鏡と、星の本。
そう、私は天体観測部に入っているのだ。
それらしいことはしていなかったが、一応は部室に来ていた私と聖と、先輩。
冬休みになる前に、せっかく来ているこの3人で、それらしいことをしてみよう、と。
提案したのは先輩だ。
「3人だけどさ、せっかく来てるわけじゃん、俺たち。
俺も今年で卒業だし、最後に部活っぽいこと、したいんだよね」
そんな一言。
嫌だという理由もなかったし、私も聖も異論はなかった。
それに、先輩の、“最後”と言う言葉が妙に悲しくて、嫌だと言いたくなかったのだ。
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