春夏秋冬


「悠!!いい加減にしろよ!」


「純君が悪いー」


そのまま粘っこい二人の小競り合いとなった。

純は必死に悠をどけようとするがなかなかどかない。


「あぁもう!彰!!なんとかしろ!」


横を通りかかった男の子の腕を純はガシッと掴み、半ば叫びながら言った。


純に腕を捕まれたのは、波木 彰。

なにげに常識人で優しい。が、母親素質があり、少しうるさく負けず嫌いだ。


「また純を困らせてんのか?悠、どいてあげなさい」


そう言うと彰は悠を思いっきり引っ張り純から剥がした。

それと同時に悠は前にあった机に頭をぶつける


「イッターい!……この!彰のバーカ!!これでもくらえ!」


今度は悠が彰の足を蹴る。


「イテッ!……てめ、悠!!」


そして、二人の追いかけっこが始まった。



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