【blue】
あたしがカウンターに行くとサトシがピンクのお酒を出してくれた。

「おごり」

「えっ、ありがと」

あたしは、一口飲んだ。

「synchronizeってか涼太…」

サトシは他の人に聞こえないように体を傾けた。

「涼太が辞めた…」

「…辞めた?」

あたしはしばらく頭が動かなかった。

「涼太が辞めたって事は事実上、解散て事になるな」

有り得ないよ。

だってそんな様子、なかったし。

「嘘だよね?あたしの事からかってるだけだよね?」

「ほんと。だからもう今日、来てない」
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