【blue】
「あぁ…これな」


涼太は袖を捲って左手首を見せた。


「鞠に怒られた」


涼太は笑う。


「お前も右手出せよ」


あたしは涼太の左手に右手をのっけた。


「今日、涼太が来てるって聞いて…あたし」



何が言いたいのか自分でもわからなかった。


「俺らはさ、マイナスとマイナス同士、なんつうか同じなんだよな…」


涼太は、あたしを見つめる。


「だから例え一緒に居たとしても、気持ちが通じあえたとしても、多分、うまくいかない…お前は泣いてばっかだし」
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