【blue】
「那智、そんな子供みたいに泣かなくったって…」


雅人は困った表情をした。


「ごめん、俺が悪かった。ほれ…甘いもん食べればおさまるよ」


ふいに雅人が萩の月を突き出したので、思わず泣きながら吹き出した。



気持ちが落ち着いてあたしは雅人に話をした。


「あたし…もう一度ひとりでやり直したい。雅人に甘えてばっかだった…」


雅人は黙ってあたしの顔を見つめている。


「やりたい事も夢もないけど…やっぱりひとりになってもう一度考えたい…」



あたしは一気に思いを吐き出した。



何か心につかえていたもの。


幸せな生活のはずなのに…



気付いてしまった。

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