【blue】
あたしは涙をティッシュで押さえながら続けた。



「ひとりで居るのが寂しかった。何したいのかわかんなかったし…雅人と居ると安心した」



ティシュに涙が滲んでいく。



「幸せだった。だけど、やっぱあたし自身は何も変わってなくて…」



雅人はあたしの話しを聞きながら深くため息をついた。



「わかった。いいよ…。いつでも。ゆっくりでもいいし‥。だからそんなに泣くな」


あたしは小さく頷いた。



「本当にあたしのわがままでごめん…」



頭を下げると雅人は黙って優しくあたしを抱きしめた。

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