【blue】
ふっと、さっき涼太が居た場所を見てみたが既に涼太の姿はなかった。


あぁ、涼太が素っ気なかった。


いや当たり前だ。


そんなの当たり前だ。


知り合いじゃないんだし、この前ちょっと話せたからってまた話せるとは限らないよね。


だけど、頭でわかっていても何だか落ち込んだ。



「ごめん那智」



「あれ?さっきの男は?」


「なんか他のとこ行った。あいつ、涼太の友達らしいよー」


「えっ、そうなの?」


「うん。まぁあんまり詳しい事は聞けなかったんだけどね。お酒奢って貰っちゃった」


さゆはグラスをぶらぶらさせた。
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