【blue】
残されたあたしと涼太。


何を喋ればいいんだろ。


涼太はポケットから煙草を取り出して火をつけた。


マルボロライトかぁ…


「何?ライトで悪かったな…」


涼太は箱を差して笑った。



「いやぁ、そんな事、一言も言ってないのに」


「顔が言ってる」


涼太はあたしの頬を左手で軽くつねった。


「痛っ」


「左手だもん、痛い訳ねぇだろう」


「うん、ホントは全然痛くない…」


「だろ」


涼太は得意気に言った。


「なんだよ?まだ何かある?お前」


涼太があたしの目を覗き込んだ。


痛い。違う。そんなに真っ直ぐ見られるとやばい。
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