思い出のなかに
幸せな
それから私は、ちょくちょく遊びに行くようになった。
とは言っても、毎日は無理だから、2、3日に1回。
私は帰宅部だから帰るのは早いけど、それでも逢えるのは1、2時間程度。
だから、無駄には過ごしたくない。
「秋斗ー。遊び来た。」
『あ・・・・・いらっしゃい。ノックくらいしてよ?』
「はい、はい。」
こんな風に言いながらも、秋斗は毎回、笑顔で迎え入れてくれる。
憎まれ口は叩いても、ケンカは一回もしたことがない。
「はい、おみやげ。写真立て。」
『・・・飾るような写真、ないよ・・・?』
「・・・んー・・・じゃ、今とろっか!」
『・・・え?』
「こんなこともあろうかと、カメラ持ってきてるんだ。」
『・・・・嫌だよ・・・・。』
「だめ。ほら、笑って!」
『・・・一人で撮るの・・・?』
「・・・え?・・・他に誰かいる?」
『・・・・・にぶいよ・・・・・。』
「え・・・?」
秋斗はとつぜん、私の腕をつかんで、引っ張った。
「ぉわっ・・・・!」
『・・・・一緒に、とろ。』
うっ・・・・!
か・・・かわいいじゃないか!
「・・・・わ・・・・わかったよ・・・・。」
私はカメラを手ごろなテーブルに置き、タイマー設定にして、ベッドに向かった。
・・・・・あ、ちょっとイタズラしてやろ。