思い出のなかに
放課後・・・
「・・・・・・・・。」
私は、時計を怖いほどにガン見していた。
カチ
カチ
カチ・・・・
≪・・・よっしゃ、終わり!≫
≪よっしゃ!≫
≪帰ろ、帰ろ!≫
学級委員長の合図で、クラスがどっ、とザワつく。
≪紗絵ぇ。一緒に帰らない?≫
友達の一人が誘ってきた、が、今日はそうもいかない。
「ごめんっ!今日、予定あるからっ!」
そう言って、私は廊下を走った。
≪あ・・・・うん?・・・廊下走っちゃダメだよー・・・。≫
その子の声が聞こえたが、そんなこと関係無しに、私は走った。
時計の針は、5時を示していた。