思い出のなかに
すごく嫌だった。
苦しかった。
でも
秋斗のために、最善の決断だ、と、私は思ったから。
私が決めた答えだもん。
【・・・そう。】
そう言うと、千堂先生は、私の頭の上に、ポン、と手を置いた。
【・・・・よく・・・・決断して、くれたね・・・・。・・・えらいよ。】
と、頭を撫でられた。
それは、優しくて・・・・
哀しくもあった。
「・・・うっ・・・・・うぁああああ~・・・ん・・・・」
その温かさから、私は、ずっと我慢していた涙を、こらえる事が出来なくなった。
【・・・・・いっぱい・・・・泣いてね・・・・・。】
そう言って、私の頭を撫で続けている先生からも、微かに、液が伝っていた。