思い出のなかに
「・・・・・はぁー・・・あ・・・・・。」
大きな溜め息をつき、私はベッドに寝転んだ。
「・・・・・・・・。」
寝転んでいると、我慢していた哀しみが、また沸いてくるような気がした。
なので、寝転ぶのはやめて、体育座りをしてみた。
「・・・・・・・秋斗・・・・。」
秋斗・・・・そんなに、重かったんだ・・・・病気・・・・
なのに・・・私の前では、我慢して・・・・?
・・・あの笑顔も、無理、してたのかな・・・・?
「・・・・・っ・・・・ふ・・・ぇ・・・・うぁああ・・・・。」
涙が、また零れた。
・・・・嗚呼。
・・・・これが・・・・夢だったらいいのに・・・。
「・・・ぁああ・・・・ぅあぁあ・・・・・」
秋斗の余命が2週間ってことも・・・
秋斗が・・・・病気ってことさえ・・・・
ぜんぶ、ぜんぶ 夢だったら、いいのに。
「ぁあ・・・・ぅぁあああ・・・ん・・・・」
それでも
私の足に残る、この畳の跡が
すべて、現実だと、告げていた。