コンビニ王子
朝のお客さんが一段落する。

ほっとして辺りを見回すと、大学生らしき一団が…。

「あー、ねえねえ鍋なんかどう?」

女の子が何人かで話しながら歩いて行く。
その後から、カートを押しながら男子が続く。


あーあ、デレデレしちゃってさ。女の子に使われちゃって。
レジ打ちしながら、そう思った。
やがて、その一団が私のレジへ…。
女の子が先に歩き、その後カートをひいた男の子達が来る。


「いらっしゃいませ。」


カゴの中の商品をスキャンしたその時。


「あ、こんにちは。いつもどうも。」


はっとして顔を上げると、色白の肌に茶色がかった瞳。いつものコンビニの…私の王子。

「あ、どうも。」

あーあ、なんて挨拶なの。ドキドキと心臓の音が聞こえる。
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