コンビニ王子
王子はにっこり笑った。


「ねえ、知ってるの?誰?」


女の子の一人が、私の顔を見ながら言う。
男の子達も私の顔を見た。


「あ、うちのコンビニに良く来るお客さんなんだ。」

「へぇーそーなんだ、ふーん…。」

女の子の一人が、安心したように王子の顔を見る。


あ、この子、王子のこと好きなんだ。私はそう思った。だって私も、王子の事好きだからわかる。


向き直って、私の顔をまじまじと見る。なーにこの子、超ウザ。
馬鹿にしたように、うっすらと笑った。


「早く買って行きましょうよ。打ち上げ、打ち上げ。」


そう言うと、私を横目で見ながら通り過ぎた。

王子は、私のほうを振り返ると軽く会釈をした。


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