コンビニ王子
「え、一人暮らししてるんだ。大学入ってから?」


「うん、そうさ。僕の生まれた所は北の果て。笑。」

「北の果て?」


その時うちの子が、大きな声で叫ぶ。


「ママー、お家帰る。早くー。」


王子は笑って、頭を撫でた。


「ごめんよ。早く帰りたいよね。それじゃまたね。僕は304に住んでるんだ。」


そう言うと、階段を駆け上がっていった。

息子と私は、エレベーターのボタンを押した。


304といえば、私の家の上だわ…。
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