コンビニ王子
いつものお仕事終わって、保育園へ息子を迎えに行く。今日は珍しくぐずる。


「どうした?誰かにいじめられたの?」


「違う!」


自転車に乗せようとしたら駆け出した。私は慌てて追いかけた。もうすぐ先にコンビニが見える。

コンビニの前でやっと追い付いた。

「あ、こんにちは。仕事終り?」


王子だ…超びっくり。店の前で会うなんて。


「昨日はありがとう。腹減ってたから助かったよ。」

「あ、うん、そう良かった。」


あれは私が作ったと思ってるだろうな…。


「あのねー、あれはジイジイが作ったんだ。」


あ、余計な事いうなー。超恥ずかしい。

王子は急に笑い出した。


「あそう、ジイジイなの?君のお父さん?」


「あはは、ばれちゃった?父は料理得意なの。もちろん私も作るけど、仕事してるとなかなかね…。」


その時、息子が言った言葉が私の胸に突き刺さった。
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