コンビニ王子
「お兄ちゃん、作ったのになんで食べないの?一緒に食べよう。」


息子はそう言うと、王子の所へ走って行き手を引っ張った。
王子は手を引っ張られて、靴を脱いで部屋へ…。


「ねえママ、いいでしょ?」


息子が口をとがらせて言う。
王子はそれを聞くと吹き出して笑った。
笑いながら息子の頭を撫でた。


まったくもう…、自分と同じくらいの友達みたいに考えてるんだから。

「あの、良かったら食べていって。子供も喜ぶし。」

私がそう言うと王子はにっこり笑った。


「じゃあ遠慮なく、いただきます。」


王子が席につくと、息子が喜んで言った。


「わーい、やったー、ご飯食べたらゲームしよ。」


「こら、お兄ちゃんは忙しいのよ。」


「あ、僕ならかまわないよ。でも、いきなり上がりこんで大丈夫?それに、お兄ちゃんはやめてよ。歳もそう変わらないのに。」


私は、ご飯をよそった。そして席についた。


「みんなでいただきますしよう。さあ、いただきます。」


食べ始めていた息子と三人でいただきますをした。あー幸せ…。
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