嘘つき恋愛
って、誰もいないよ。
入った時、人なんて見なかったもん。
そう考えたら……逆に怖くなってきた。
チラリと後ろを見ると、ドアに腕を組ながら、もたれかかってこっちを見る―
「岡田、くん…」
学校一俺様で、学校一モテる男がいた。
良かった…幽霊じゃなかった…。
でもさっきの声は空耳でしょ。
だって、岡田君があたしなわけないよ。
「お前、日野…陽菜だよな?
今日から俺様の彼女、わかった?」
「………はい?」
空耳じゃなかったの!?
「いいだろ?まぁ、嫌って言ったって…」
"わかりましたと言わせてやる"
そう笑いながら言った岡田君の表情は…俺様な微笑みだった…。
あたしのクリスマス、終わったね。