嘘つき恋愛
「…………言った、よな?」
主語なんかなくたって伝わる、恐ろしい岡田君の表情、言葉。
ファンの子達も怯えてる。
「あの、あたし達雅樹君大、好きで…っ」
「何告ってるわけ?意味わかんねぇ、」
みるみる目に涙が溜まっていく女の子達
「いいよ、岡田君。あたしは大丈夫だよ?教室、帰ろ?授業始まっちゃう!」
これ以上、怖い岡田君を見たくない。
そう思ったあたしは、冷静に岡田君の瞳を見て言った。
「本当に?陽菜大丈夫なのか…?」
「うん、あたしがこけただけだよ?」
なんだか納得のいかない顔をしていたけど、あたしが笑えば笑ったから。
安心したと同時に、やっぱり胸がキュンとなる。
赤くなった頬を見られたくないから慌てて下を見ると、クリームパンと苺オレ。
「あ…岡田君これ遅くなっちゃってごめんね?」