君が好きだというならば~episode1~
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パチパチと薪が燃えている音だけが辺りに響いて、
対面して座る2つの影が揺れている。
あれから、老人の後について歩くこと数時間…
森の深くまで足を踏み入れて、
老人と少年は木造の家の前に辿り着いた。
家周辺は、森の奥深いところにもかかわらず、開けた場所になっていて
そばには湖
家の裏には、洞窟らしき洞穴――
……生活するのにはちょうど良いところだな。
と思っていると、
汗を流せと老人に言われ、
しみる傷を我慢しながら湖で体を洗った。
さすがに冬本番のなかでは、濡れた体はすぐに熱を奪うので
老人から清潔そうな白い衣服を受け取り、
家のなかで暖をとっている。