君が好きだというならば~episode1~


「ちょ!何してるの!?」


「ん~?」



なんだかユウはご機嫌に鼻唄まで歌いながら、縛られてあるヒモに次々に手をかけていく。



「やっ、何してるのょ!」


ヒモが解かれた場所から次々に胸の窮屈さがなくなっていく。



彼が何するのか理解した私は

彼の胸に両手を当て、力一杯押すんだけど




「何って…若菜脱ぐの大変だろうから僕が手伝ってるの~」


ニコニコ笑うユウは全然びくともしない。


「自分でやるわよ!
それかマシュー達を呼ぶから!

やめてってば!」



何で男の人に脱ぐのを手伝ってもらわなきゃいけないのよ!


慣れないことと、今までと違った雰囲気のユウに焦りを覚える。



そんな私の気持ちを感じてか、ピタッと手を止めると



腕を私の肩に置いて、その綺麗な顔を私に近づけると



「ねぇ、若菜。

こんなことぐらいであたふたしてたら、この先身がもたないよ?」


クスッ

さっきまでとは違う落ち着いた雰囲気と、ギラギラさせた目付きで私に囁いた。


固まってしまった私を他所に、口を耳元まで近付けると




「俺達そのうち結婚するんだぜ。
早く慣れろよ。


…今のうちに俺が慣れさせといてやるか?」



そう言って、私の耳たぶをカプリと食む。

< 18 / 26 >

この作品をシェア

pagetop