君が好きだというならば~episode1~
「ちょ!何してるの!?」
「ん~?」
なんだかユウはご機嫌に鼻唄まで歌いながら、縛られてあるヒモに次々に手をかけていく。
「やっ、何してるのょ!」
ヒモが解かれた場所から次々に胸の窮屈さがなくなっていく。
彼が何するのか理解した私は
彼の胸に両手を当て、力一杯押すんだけど
「何って…若菜脱ぐの大変だろうから僕が手伝ってるの~」
ニコニコ笑うユウは全然びくともしない。
「自分でやるわよ!
それかマシュー達を呼ぶから!
やめてってば!」
何で男の人に脱ぐのを手伝ってもらわなきゃいけないのよ!
慣れないことと、今までと違った雰囲気のユウに焦りを覚える。
そんな私の気持ちを感じてか、ピタッと手を止めると
腕を私の肩に置いて、その綺麗な顔を私に近づけると
「ねぇ、若菜。
こんなことぐらいであたふたしてたら、この先身がもたないよ?」
クスッ
さっきまでとは違う落ち着いた雰囲気と、ギラギラさせた目付きで私に囁いた。
固まってしまった私を他所に、口を耳元まで近付けると
「俺達そのうち結婚するんだぜ。
早く慣れろよ。
…今のうちに俺が慣れさせといてやるか?」
そう言って、私の耳たぶをカプリと食む。