君が好きだというならば~episode1~
「承知しました。
それではここで引き取らせて頂きます」
畏まった言葉使いのユウの声が届いた。
ユウがいなくなるのがわかってほっとするのも束の間。
彼は立ち上がると、真っ先にドアに向かわず
なぜかこちらに歩いてくる足音がして
ボソ
「邪魔が入っちゃったけど、次は覚悟しなょ?」
そう小さく呟いた後
「おやすみ、マイハニー!」
チュッ
「~~っ!」
頬にキスを一つ落として
「キャーッ、ユウ様ってば大胆ですねぇ、姫様!」
周りが一気にざわついた中、にっこりいつもの笑顔を見せると
手をヒラヒラ降りながら部屋を出ていったのだった。
……何なんなのょ、一体。
もちろん小声で囁かれた言葉なんて周りには届いてなくて
私はただただ、彼の変わってしまった言葉遣いや態度が理解できないでいた。