ぼくと世界とキミ
激しい雨と風が吹き荒ぶ窓から雷鳴が轟くと同時に、男の剣が振り下ろされる。
その剣が服を突き抜け、俺の皮膚と肉を切り裂くのが分かった。
次の瞬間、斬られた傷が痛みよりも燃える様な熱さを感じ、体を動かす事も声を出す事もできずに、その場に崩れる様に倒れる。
「ここでお前が死ねば……《未来》は変わる。しかしもしも……」
男はそこまで言って口を閉ざすと、己の血に濡れた剣を見つめ自嘲気味に笑った。
「……もしもお前が生き残れば、そこに待つのは……残酷な《終わり》だけだ」
男はそう呟きそのまま背を向けると、雨と風の吹き荒れる嵐の中へと消えて行った。