ぼくと世界とキミ

「起きたのならセリアに会いに行ったらどうだ?お前が倒れてからずっと心配していたぞ」

そう言ってジルが窓の外に視線を向ける。

それにつられる様に窓から外を見ると、そこには透き通る様な《青》が広がっていた。

「……海?」

「いや、正確には湖だな。この湖を越えた先に首都メルキアがある」

そのジルの説明と共に、太陽の煌めく波間で子供達と楽しそうに遊ぶ……セリアの姿が目に入った。

セリアは町の子供達と追いかけっこをしたり、砂でままごとらしい事を楽しそうにやっている。

子供達は嬉しそうに笑みを浮かべ、それに応える様にセリアも眩しい笑顔を浮かべていた。

「……ちょっと行ってくる」

そう言ってベッドから立ち上がると、そのまま部屋を出て真っ直ぐにセリアの元へと向かった。
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