ぼくと世界とキミ

宿屋から外に出て真っ直ぐに湖へと向かって早足で歩く。

「セリア!!」

彼女の名を呼び大きく手を振って見せると、セリアはハッと顔を上げ、それから嬉しそうに笑みを浮かべて駆け寄ってきた。

「よかった!!目が覚めたのね?体は?大丈夫!?」

セリアは少し興奮した様子で俺の肩を揺すりながら、円らな瞳で俺を見つめる。

「だ、大丈夫!!心配させてごめんな。もう平気だから」

そう言って笑いかけると、セリアは安心した様にホッと息を吐いた。

「せりあー!早く遊ぼうよー」

そんな俺達の様子を見ていた子供達は、中断されたままの遊びを待ち切れなかった様で、クイクイとセリアの腕を引っ張る。

「……はいはい。あ、ロイも一緒に遊ぶ?」

そう言ってセリアは俺を見つめ首を傾げて笑う。

すると子供達は新たな遊び相手の参上に期待を膨らませるかのように、瞳をキラキラと輝かせて俺を見つめた。

「よ~し!俺も仲間に入れてくれ!!」

そう言ってニッコリと笑って見せると、子供達は嬉しそうにはしゃぎながら俺の周りに集まって来た。
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