ぼくと世界とキミ
第二十話 伝説
「おはようございます」
眠い目を擦りながら玉座の間に入ると、アシュリーの笑顔に迎えられる。
昨日はあれから暫く話し合うと、そのまま部屋に戻り眠る事になった。
カインとアシュリーは久しぶりの再会を喜ぶ様に、夜通し語り合っていた様で目が赤い。
「本当に……何とお礼を言ったらいいのか」
そう言ってアシュリーは俺達に向かって深々と頭を下げる。
……昨日目を覚ましてからアシュリーはずっと俺に頭を下げっぱなしだ。
「お礼はもういいって、昨日言っただろ?」
そう言って困った様に笑いかけると、アシュリーは小さく頷いてニッコリと可愛い笑みを見せた。
「カインから《証》の話を聞きました。これがその《証》なのかは分かりませんが、ロイ様のお役に立てるなら……どうぞ」
そう言ってアシュリーは俺の目の前に立つと、そっと胸元の服を下げて見せる。
するとアシュリーの白い胸元に、不思議な《痣》が見えた。
……どうぞ……って言われても。
そんな事を考えながらチラッと周りを見回すが、みんなは無表情で何も読めない。
だいたい……俺が触っていいのか?
いくら《証》のためでも……女の子だし。