ぼくと世界とキミ
「本当に……いいのか?」
「はい。もちろんです」
再度念を押す様にアシュリーに問いかけると、アシュリーが優しく笑って返した。
……え~い!!やるしかない!!
心の中で大きく叫ぶと、そのままの勢いで手を伸ばし胸元の《証》に触れた。
……や、柔らかい。
指先が微かにアシュリーの肌に触れた瞬間、一気に顔が赤くなるのが分かった。
するとアシュリーの《証》から白い光が溢れ出し、それは凄い速さで俺の体の中へと吸い込まれていく。
……熱い。
顔が熱いのか、体が熱いのかは分らなかったが……とにかく熱さを感じる。
白い不思議な光が俺の体に吸い込まれていけばいくほど、体中に燃え上がる様な熱さを感じた。
そして優しい白い光が全て俺の体に吸い込まれると同時に、アシュリーがフラッとよろめき……それをカインがそっと抱きとめる。
「大丈夫か!?」
ジルの時と同じ様に、アシュリーの顔色は酷く悪い。
カインに肩を抱かれ呼吸を荒げるアシュリーを心配そうに見つめると、アシュリーから優しい笑みが返ってきた。
「……えっち」
セリアはそう呟いて冷たい眼で俺を見ると、アシュリーに向かって手を翳した。
するとセリアの手から緑色の不思議な光が溢れ……アシュリーの顔色は見る見る良くなっていく。
「最低だな」
ジルはそう言ってリンゴの様に真っ赤な俺の顔を横目で見ると、呆れた様に肩を竦めて深いため息をついた。
「ちっが~う!!やましい事なんて考えてないってば!!信じてくれ~!!」
二人に責められ涙目になりながら必死に弁解する俺の姿を見て、カインとアシュリーは眉を顰めて可笑しそうに笑っていた。