ぼくと世界とキミ
第五話 定められた出会い
「……ふぁ~」
大きく伸びをしてそっと空を仰いだ。
空は一面闇に覆われ、その中に小さな光の粒が見える。
……まだ夜みたいだな。
昨日は襲ってくる魔物をなんとか蹴散らしながら歩き続けたが、結局村は見つからず諦めて寝てしまった。
そこら辺に生えている木を背にして寝たせいか背中が痛い。
布団がとても恋しくなった。
淡い月明かりの照らす辺りは見渡す限り草原。
やはり地平線が見える。
「……はぁ」
大きく溜息を吐くと、また右に向かって歩き出した。