ぼくと世界とキミ
「ルークの望む未来のために……死んでよ」
ノヴァはそう小さく呟くと、次の瞬間、俺目掛け黒い大きな鎌を振り下ろした。
咄嗟に剣を出しそれを受けると、ガキンという耳障りな金属音と共にノヴァの鎌が弾かれる。
弾き返されたノヴァはそのまま空中で身を翻し体制を整えると……セリアに向けて鎌を振り下ろした。
慌ててセリアを突き飛ばし、振り下ろされる鎌を剣で受ける。
するとノヴァはすぐに体を捻り、俺の首目掛けて鎌を振った。
それを紙一重で避けると、後ろに飛び退き距離を取る。
……強い。
戦い慣れているせいか、攻撃に無駄が無い。
「セリア!部屋に戻ってろ!!」
その俺の叫びにセリアが頷き階段を駆け下りていくと、急いで城内に続く扉を閉めた。
「そんな事しても無駄だよ?どうせみんな死ぬんだから!!」
そう言ってノヴァは歪んだ笑みを浮かべると、大きな黒い鎌を振るった。
それをまた剣で受け退けては距離を取る。
……くそっ!!
心の中で舌打ちをしながら、目の前の《少年》を見つめた。
まるで遊んでいる子供の様に楽しそうに無邪気な笑みを浮かべ、ノヴァは俺に斬りかかって来る。
それを何度も受け流しながら……俺は迷っていた。