ぼくと世界とキミ

やっとの事で村の入口に着くと、その場で膝に手を当て息が整うのを待つ。

……助かった。

……これで……何とかなる。

ゼイゼイと肩で呼吸をしながらそっと顔を上げると……おかしな事に気付いた。

「……嘘……だろ」

小さく声を漏らし、ポカンと間抜けに口を開く。

そこは……廃墟だった。

村はボロボロで、人の気配は全く無い。

民家は焼け崩れ、まだ微かに煙を上げている物もある。

……魔物に襲われたのだろうか。

建物の外見はボロボロだが、中はあまり荒れてはいない様に見える。

傷み具合からして、ごく最近襲われた様だった。

……もしかしたら食べられる物があるかもしれない。

不謹慎だがそんな期待をしつつ、村の奥へと急ぎ足で進んで行った。
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