ぼくと世界とキミ

城から外へ出て暫くその周辺を探し回ると、世界樹の下で一人佇むセリアの姿を見つけた。

セリアは俺に背を向ける形で立ち、幹にそっと手を触れたまま一心に世界樹を見上げている。

「セリア!!」

後ろから大きく名前を呼ぶと、セリアはビクッと微かに身を竦め、それから何かに怯える様に恐る恐る俺を振り返った。

そんな彼女に駆け寄って行くと、セリアは表情を曇らせフイッと俺から顔を背ける。

「何してるんだ?こんな所に一人で」

「……別に何でもないよ」

目を逸らしたままセリアは素っ気なく答えた。

そんな最近は少し慣れた彼女の姿を見てフゥと息を吐くと、それかセリアに向かってニッコリを笑みを見せる。
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