ぼくと世界とキミ

アッシュの血だらけの手を強く握ると、驚いた様にアッシュが目を見開いた。

「僕が……僕が創ってみせる。アッシュ達が……笑って生きられる世界を」

そう言ってアッシュの手をギュッと強く握った。

「……約束だ」

ニッコリと笑みを浮かべて見せると、アッシュの涙が止まる。

燃え盛る炎は彼の赤いピアスを場違いな程にキラキラと輝かせ、そしてそれと同時に彼の真っ赤な美しい瞳が優しく揺れた。

それからアッシュはギュッと僕の手を握り返すと、小さく息を吸う。

「……ありが……とう……お前は……最高の……トモダチ……だ」

擦れた声でそう言うと、アッシュは優しく微笑み……そのまま動かなくなった。


燃え盛る炎の中……僕は誓った。

僕は《世界》を変えてみせる。

それがどんなに愚かで……間違った道だとしても。
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