ぼくと世界とキミ
それから暫く歩き続けると、次第に日が暮れ、森が暗くなってきた。
そっと生い茂る樹の隙間から空を見上げると、焼ける様な赤い空と静かに迫る淡い闇が見える。
その不思議で少し恐ろしく感じる空を見上げていると、微かに右肩の《痣》が痛むのを感じた。
その鈍い痛みはまるで俺に何かを訴えている様に感じ、不安を拭う様にそっと右肩に手を触れる。
その瞬間……突然大きく地面が揺れた。
ガタガタと歪な音を立てて激しく地面が揺れ、立っている事も儘ならず地面に伏せる。
しかし今までにない程に大きな地震はいつまでも揺れ続け、なかなか治まらない。
その間もどんどんと右肩が痛み、それはすでにズキズキと激しい痛みを放っていた。
「……い、一体何が」
そう声を漏らし揺れる世界を茫然と見つめたまま、痛む肩を押さえ続ける。
それから暫くすると静かに地震は治まって行き、それからまるで何も無かったかの様な静寂が辺りに戻った。
サワサワと風が木々を揺らす囁きを聞きながら、漠然とした気配を感じる。
……マナ。
……マナが近くに居る。
心臓が壊れそうなほど鼓動が速くなり、冷たい汗が背中を伝い服を不快に湿らせた。
ギュッと強く胸を押さえ次第に荒くなる呼吸を必死に抑えていたその俺の横で、急にセリアがフラフラと立ち上がった。