ぼくと世界とキミ

……白い世界。

かつて一度だけ来た事のある不思議な空間。

セリアと初めて出会った場所。

目の前には悲しそうに俯くセレスの姿がある。

グッと拳を握り締め立ち尽くす俺の横で、ジルとアシュリーが悲しそうに表情を曇らせ、静かに俯いていた。

「……どういう事なんだ」

俯いたまま俺と視線を合わせようとしないセレスに小さく問いかける。

「……私は貴方に嘘を吐きました。私が……世界を創造した女神だと」

セレスがそっと口を開いた。

「でも本当は違う。女神に創られた人形こそが私。そして世界創世の女神こそが……セリア様なのです」

そのセレスの答えに、頭を鈍器で殴られた様な衝撃を受ける。

「セリア様は生まれたその時に、御自分の運命が見えてしまった。貴方と出会う未来。悲しくも幸せな日々。そして最後に……貴方に殺される瞬間が」

そう言ってセレスは静かに目を閉じる。

「マナとセリア様は二人で一つ。マナが狂えば……セリア様の心も侵されていくのです」

セレスはそう言うと悲しそうに瞳を揺らす。
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