ぼくと世界とキミ
川の水面をそっと覗くと、水面に映る自分の顔にギョッとする。
……目……真っ赤だ。
腫れぼったく赤い瞳。
涙も拭かずに寝たため、涙や鼻水やらワケの分からないモノで顔がボロボロだ。
「……不細工な顔」
そう小さく呟くと、クスリと吐息を漏らした。
あまりにも悲惨な自分の顔に、何だか可笑しくなってきた。
川の水を手で掬いジャバジャバと顔を洗う。
その冷たく心地よい水は俺の肌を撫で、まるで心に沁みついていた黒い何かまで落としてくれる様な不思議な感覚を覚える。
……ちょっとはマシになったかな。
ゴシゴシと腕で顔を拭うと、もう一度水面を覗き込み……笑みを作ってみた。
太陽の光を反射させキラキラと揺らめく水面には、俺のいつもの笑みが浮かんでいた。
……ちゃんと笑える。
笑顔を作れる事に少し安堵しホッと息を吐くと、そのまま二人の元へと戻った。