ぼくと世界とキミ

ノヴァと俺、ジルとアシュリーが同じ魔物に乗り込む。

デカイ鳥の様な姿の魔物の体はフサフサしていて……ちょっと気持ちいい。

ノヴァの瞳と同じ円らな赤い瞳は、何故だか優しそうに見える気がした。

「ちゃんと掴まっててね」

ノヴァの言葉にコクリと頷いて返すと、魔物が大きく翼を広げ空高く舞い上った。

俺達四人を乗せた魔物は降り続ける雨の中を、グレノア城目指し物凄い速さで飛んで行く。

加速度的に近付く……終わりの時。

……俺は世界を救う。

……救うんだ。

心の中で小さく呟き続ける。

今にも崩れ落ちてしまいそうな程に弱い……自分の決意に言い聞かせる様に。

張り裂けそうな胸の痛みと、これから起こる悪夢の様な時に怯えたまま……震える自分をそっと抱き締めた。

……俺は必ず、セリアの世界を救ってみせる。

《約束》……したから。
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